エメラルドについて
エメラルドの歴史は非常に長く、古来より人々に愛され、
アレキサンダー大王、ナポレオンなど、幾多の権力者たちを虜にしてきました。
世界三大美女として有名な【エジプトのファラオ・帝王シーザーの恋人】
あの、クレオパトラもエメラルドに魅了された一人です。
エメラルドを愛してやまないクレオパトラは、鉱山を所有し、
そこから採掘されたエメラルドに囲まれて暮らしたといわれます。
エメラルドは内部に多くのキズを持つのが特徴の宝石ですが、
結晶時に生じるキズは、反面、天然石の証でもあります。
このキズはエメラルドにおいては価値を損なうものとして捉えられておらず、
歴史的にほとんどのエメラルドにオイルや樹脂に浸すなど、
宝石としてより美しく見えるための処理が施されています。
この処理は、あくまでエメラルド自体が本来持つ色・輝きを
より際立たせるための古くから行われているものであり、
エメラルドに一般的に行われる処理として認められているものです。
7.5~8と硬度が高い石ではありますが、
インクルージョン(内包物)が多いため、非常に割れやすく、
取り扱いには十分な配慮が必要な繊細な宝石です。
緑色は植物の色、豊穣と実り、
エバーグリーンなども言われるように生命力や若さの象徴でもあります。
その鮮やかな色を持った宝石は洋の東西を問わず人々を魅了してきました。
東洋では翡翠。水々しさという一瞬の輝きを永遠に留める奇跡が、
革命を繰り返して何度も盛衰を繰り返すいずれの王朝の皇帝においても珍重されてきたのです。
この翡翠で最上級とされるロウカン、これは透き通り、まさに今、雨が上がり、
再び輝きだした太陽の光に生き生きと生命力をたぎらせて、
根からぐんぐん吸い上げた水分を湛えた植物の体を思わせるものですが、
これはエメラルドの美しさととても似ています。
エメラルドは翡翠よりは透明度が高い石ですので、
手頃な価格の石でもこのような鮮やかな彩、生命力を湛えた力を感じ安い石です。
透き通った美しさは、エメラルドグリーンと、西洋では南国の海の美しさの例えにも使われていますよね。
生命力は、一瞬の輝き。
永遠の命や若さという、誰もがつい抱いてしまう、
叶わない夢や憧れは、伝説やおとぎ話ではなく、宝石の中に確かに存在します。