サンプラチナとは
- 投稿日:2018年2月5日
- 最終更新日:2022年1月20日
サンプラチナは、戦後の頃によくアクセサリーを作るための材料として使用されていた金属です。プラチナという単語が入っているので、高級アクセサリーの材料として使用されるプラチナの一種と思われがちですが、残念ながらサンプラチナの成分にプラチナは使用されておりません。
プラチナ買取相場一覧表はこちらまた、近年ではサンプラチナはアクセサリーの素材として使用されることはほとんどありませんが、メガネの材料や歯医者の治療器具の素材として使われています。今回はサンプラチナという金属の用途や優れている点、そして金属としての価値の有無についてご紹介していきます。
サンプラチナの誕生から主な用途
サンプラチナの正式名称は「Sun Platinum Metal」です。歯科治療材料を製造するデンツプライグループ傘下のデンツプライ三金という企業の創業者である加藤信太郎氏により、1930年に開発された合金です。
プラチナのような白金色の光沢があり、見た目はプラチナのようにも見えますが、その成分はニッケル85パーセント、クロム11パーセント、銀3パーセント、その他1パーセントとなっており、貴金属であるプラチナは含まれていません。
戦後の金属が不足していた時期に、アクセサリーを製造するための素材として使用されていたため、古いアクセサリーなどにはサンプラチナを使用したものが多くあります。
サンプラチナのアクセサリーには略称である「SPM」と刻印されていることが多いようです。現在ではアクセサリーの素材として使用されることはほとんどありませんが、メガネフレームの素材や、歯科医でインプラントの台座素材としても使われています。
サンプラチナは開発された当時からメガネフレームの素材として使用されており、昭和天皇がサンプラチナの丸いメガネフレームを愛用したことによって一般にも普及したと言われています。最近のメガネフレームといえばチタン製品やプラスチック製品が主流ですが、あえてサンプラチナのフレームを選ぶ、おしゃれにこだわりがある方もいらっしゃるでしょう。サンプラチナで使用されている金属は、金属アレルギーを引き起こす原因となる可能性が極めて低いため、人体に接触させる製品に使いやすい素材として重宝されているのです。また、形状の変化に対する弾性が強く、曲がったりねじれたりしても元の形に戻る性質が強いため、メガネフレームなどには最適の素材と言えます。
さらに、サンプラチナは時間の経過によって化学変化が起きてしまう可能性も低いため、長期間使用していても変色しないという特徴があります。
そして、何よりもサンプラチナを作るために使用される金属は産出量が多く、価値としては低いものばかりですので、低コストでさまざまな製品の素材にしやすいというメリットがあるのです。
サンプラチナには貴金属としての価値がある?
プラチナという名前によって勘違いを引き起こしやすいのですが、残念ながらサンプラチナには貴金属としての価値はほとんどありません。
昔の物を整理しているときにサンプラチナを使用したアクセサリーを発見した方が、価値のあるものだと思い、貴金属店に持って行かれたそうですが、期待はずれの結果となってしまったなどのエピソードもあるようです。サンプラチナは金やプラチナのように含有金属自体が高値で取引されているものではありません。しかし、サファイアやルビーなどの宝石を乗せるための素材として使用されることも多いため、サンプラチナの部分の価値が無くても乗せられている宝石には価値がある可能性があります。また、主に使用されている素材がサンプラチナであっても、金やプラチナが少量ながら使用されている可能性もありますので、詳細な価値を知りたい場合は貴金属の買取をおこなっている専門店にみてもらうのがいいでしょう。
サンプラチナは白色の光沢を放つ硬さを感じるソリッドな材質がメガネフレームをおしゃれに演出してくれるので、貴金属としての価値はほとんど無くとも、メガネフレームとしては重宝されています。また、使い込むことによって色の変化が起こり、深みのある白い光沢が帯びてきます。サンプラチナがもつデザイン性を好むメガネ愛好家の方も多く、メガネフレームとしては価値が高い場合もあります。さらに戦後あたりに製造されたようなメガネフレームであれば、レトロ品として価値がつく場合もあるようです。
プラチナとの違い
サンプラチナと名前が似ているためよく混同されることが多いプラチナは、金と並んで非常に価値が高い金属です。プラチナは比較的新しい貴金属で、盛んに発掘されるようになったのは戦後といわれています。プラチナの使用用途はとても豊富で、アクセサリーの材料だけではなく、医療や電子産業、 自動車の触媒装置などでも利用されています。また、サンプラチナはプラチナに非常に似た色合いをしておりますが、やや光沢が弱く、くすんだような色をしております。プラチナの方が白い光沢が強いので、並べて見れば色の違いも肉眼で十分に判断することができます。 アクセサリーに使われている場合、サンプラチナは「SPM」の刻印がされており、プラチナですと「Pt」と刻印されていることが多いため、専門的な知識がなくても見分けることができます。また、サンプラチナはプラチナよりも比重が軽いため、持ってみればプラチナなのかサンプラチナなのかすぐに判断することができるようです。
サンプラチナで金属アレルギーが起きる可能性もある
サンプラチナは人間が金属アレルギーを引き起す可能性が低い素材で作られていますが、人によってはサンプラチナを着用することによって金属アレルギーが発症する可能性があるようです。サンプラチナに使用されている金属の中でもっとも金属アレルギーを引き起こしやすいのがニッケルといわれています。しかし、ニッケルは日本円の50円玉、100円玉、500円玉にも使用されている身近な金属となっており、これらの硬貨に触れても金属アレルギーを発症してない方は、サンプラチナ製品を使用しても金属アレルギーを発症する可能性は低いと言えます。
金属アレルギーとは、花粉症と同じく人間の抗体反応によって引き起こされる体の反応です。製品を使用しているうちに、汗などによって化学変化が起こり、溶け出した成分が人体に入ると、人間の抗体反応が本来は体内にないはずの成分に対する抗体を作り、抵抗を始めます。その後、同じ金属がまた体内に入ってくるとその度に抗体が金属と戦うことによって、かゆみや腫れ、痛みなどが引き起こされます。 どのような金属によって金属アレルギーが発生するか、その度合いは人によって異なるため、自分がどの金属に弱いのかということは検査をしなければ分かりません。 花粉症と同じように一定以上体内に入ることによって抗体反応が表れることもあります。そのため、長期間に渡り問題なく着用していたアクセサリーやメガネでも、ある日突然アレルギーが発生してしまう可能性もあります。
一般的に金属アレルギーの検査は、皮膚科などでのパッチテストを行います。この検査では、アレルギー症状の原因である可能性が高い金属を皮膚に貼り付け、それぞれの金属を張り付けた箇所にアレルギー症状が起きるかを確認します。しかし、パッチテストによって完全に金属アレルギーの原因が特定できるわけではなく、複数回の検査が必要になる可能性もあることには注意が必要といわれています。そのためアレルギー症状が出にくいと言われているサンプラチナでも金属アレルギーが起きる可能性もあるのです。
買取査定申込み
Flawless(フローレス)では、お客さまのご都合に応じて以下の方法からお選びいただけます。